EPOCH TABLE Magazine

2020/11/5

器にまつわるお話 ~ボーンチャイナについて~

皆さんはボーンチャイナとポーセレン(磁器)の違いについてご存じでしょうか?
どちらも食器において磁器に分類される素材ですが、漠然とボーンチャイナは高級な食器という認識の方が多いかもしれません。
ではなぜ価格が高いのか?

今回は皆さまから頂いたご質問の中から「ボーンチャイナって何?」という疑問にお答えしたいと思います。

~ ボーンチャイナとは? ~
皆さんが日頃手にする食器は、それぞれ原料・釉薬(ユウヤク)・焼成温度・見た目の特徴などによって大きく陶器と磁器に区別されます。
陶器は吸水性のある素地に釉薬を施したもので、透光性がなく水を吸う性質があります。
一方磁器は白くて透光性が高く吸水性がありません。また一般的に透明の釉薬が掛かっていて高温で焼成します。ボーンチャイナはこの磁器の種類のひとつです。

ボーンチャイナは18世紀にイギリスで誕生しました。その当時のイギリスではなかなか白い良い磁器の製造が出来ませんでした。
ところが、その原料に牛の骨を焼いて灰にした「骨灰」(こっぱい)を入れて焼成したところ、白い良い磁器を造ることができました(偶然だったとも言われています)。
それが「ボーンチャイナ」、Bone (骨)China(磁器)の名称の由来になっています。
現在では、動物の骨からゼラチンなどを製造する際に副生成物として採れる骨灰の主成分である「リン酸三カルシム」をボーンチャイナの製造に利用しています。

「骨から採れる!?」と聞くとちょっと抵抗があるかもしれませんが、歯磨き粉やサプリメント、ベーキングパウダーなどの主原料としても一般的に利用されている、安心・安全な原料です。

~ ワレ・カケに強さ抜群 ~
装飾も美しく形状も優雅で繊細な物が多いボーンチャイナの食器。
高級ブランド食器の代名詞のようになっている事もあり扱うときは緊張しますよね。実はボーンチャイナは皆さんがイメージするよりも見た目に反してとても丈夫なのです。
専門的な話ですが、ボーンチャイナは骨灰(Bone ash)の主成分であるリン酸三カルシウムが大量に含まれることにより、その素地は緻密な結晶構造をしています。
その強く結びついた結晶構造のために、一般的な磁器に比べ実は機械的強度があるのです。

こちらの写真は鳴海製陶がボーンチャイナに振り子の先につけたハンマーを当てて強度を測った時のもの。
この様な強度試験を行っていますので食器としての丈夫さは折り紙付きです。薄くて軽い事もボーンチャイナの特徴の一つなので使うときには慎重になるかと思いますが、普段通りに使って頂いて全く問題はありません。ホテルやレストランの業務用にボーンチャイナが多く採用されているのは見た目の美しさ以外に強度に対しての信頼もあるからです。

~ ボーンチャイナの豆知識 ~
ここからはボーンチャイナにまつわる豆知識です。
ボーンチャイナの定義は国によって異なりますが、原料に含まれるリン酸三カルシウムの含有量によって定義されています。

ボーンチャイナは素材の持つ特性からデザイン通りの形状や寸法に仕上げる事がとても難しい素材です。
リン酸三カルシウムが多く含まれるほど、美しく均一な形状にする事が難しくなります。というのも、ボーンチャイナは焼成した時に大きさが約20%も収縮するからです。
一般的な磁器は約7%程度小さくなりますので、ボーンチャイナでデザイン通りの大きさ、形に仕上げる難しさはご想像頂けると思います。


いかがでしたか?ボーンチャイナの特徴を知ると今までとは違った目線で食器を見る事ができるのではないでしょうか?
今回ご紹介したようにボーンチャイナは繊細でありながら丈夫な素材であることはおわかり頂けたと思いますので、おもてなしの時のとっておきの食器としてだけではなく、毎日の食卓にもどんどん使ってボーンチャイナの良さを実感してくださいね。

もっと詳しくボーンチャイナについて知りたい方は、こちらをご覧ください。
ボーンチャイナ製造メーカー鳴海製陶が自社商品の製造工程に関して詳しく動画で説明しています。工場見学の気分で覗いてみてください。

 

 

 

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