EPOCH TABLE Magazine

2020/7/15

器にまつわるお話 ~FEILER~

皆様にご紹介しているコーディネートの中から、今回は、フラワーズティータイムでセレクトしている色鮮やかなFEILERの器とその製作の裏側をご紹介します。

_FEILERについて_
歴史と伝統に彩られたドイツ・シュニール織の名門ブランド”FEILER”。
1928年、現在のチェコ(当時はドイツ領)で織物工房をスタートさせたエルンスト・フェイラーは、ババリヤ地方の伝統工芸織物シュニール織りに着想を得て、独自の創意工夫を重ねます。
そして20年後の1948年、ドイツ・ホーエンベルグで独自の技法による織物を完成。シュニール織ブランド、「フェイラー」を創業しました。
高品質の原綿にこだわり、熟練の職人が操る織機で何十もの工程を経て丁寧に織り上げられた製品は、シュニール織りの世界ブランドとして確固たる地位を築いています。

_シュニール織りとは?_
独特の手触りと厚みのあるシュニール織り。その織り方は一般的な織物とは異なります。
まず一度平織し、その出来上がった布を縦に裁断します。何度も裁断を繰り返し、糸状になったところで、裁断した糸に撚りをかけモール状にします。
そのモール糸を横糸として再度織り上げて作られます。このような横糸を使用することで、表と裏に同じ模様が現れ、ソフトな質感と優れた吸収性の織物となります。
また、織り方の名称にもなっている「シュニール(Chenille)」とは、フランス語で「(蚕などの)いも虫」という意味。そのプクプクとした質感が、シュニール織りで使われるモールヤーン(モール糸)の感触に似ていることから、「シュニール織り」と呼ばれるようになったといわれています。

_FEILER「ラビリンス」をテーブルウェアに再現_
フェイラーを代表する人気のパターン「ラビリンス」。
伸びやかな茎と豊かに茂る葉、色鮮やかな花のコンビネーションが不思議な迷宮世界を描き出す……「ラビリンス」はそんなイメージから生まれたデザインです。
器の絵柄として草花は昔から人気のモチーフですが、フェイラーファンの方々にも喜んで頂ける器にするには?この「ラビリンス」の色とシュニール織独特の表情を如何にボーンチャイナに表現するか?という事は、とても難しい挑戦でした。
まず、シュニール織の表情とラビリンスの持つ花のたおやかさを失わないように、デザイナーが「ラビリンス」の世界を紙の上に描き直し、プレートやカップの平面図上にレイアウトしながら、料理を盛りつけた時やお茶を飲む時に、一番バランスの良い花の配置やボリュームを探っていきます。
次に、花々の鮮やかな色合いをボーンチャイナに表現する為に、様々な工夫を施していきます。
一般的に陶磁器の絵付けではこの「ラビリンス」のような鮮やかな赤やピンクの色の再現は非常に困難だと言われています。それを忠実に再現するには、絵付けに使われる色の多さと効果的な配置にその秘密があります。
実物のプレートやカップに焼き付けられ、発色したサンプルを見ながら、紙の上では気が付かなかった色面積のバランスや奥行感、立体に絵付けされた時の光の当たり具合によって変化する花の色など、焼成しては確認し、また修正する、という細かな調整作業を繰り返し、完成度をより高めていきます。通常は5~6色程度で絵柄を表現する事が一般的な陶磁器の絵付けの中で、この「ラビリンス」は16色という3倍もの色を使用し、その結果シュニール織独特の微妙な表情を再現する事ができました。
最後に、プレートの縁やカップの持ち手に金色のラインを入れていきます。縁の金線は熟練した職人がひとつひとつ丁寧に手作業で塗っていく繊細な作業です。金色のラインが入る事で、器の高級感がぐっと増し、より華やかな印象を全体に与えてくれます。

このように、いくつもの工程を経て完成したNARUMI Bone China「ラビリンス」。大胆で色鮮やかな花に彩られた器は、見ているだけでも気持ちを明るくしてくれます。

テーブルセッティングをする時には、明るい強めの色をアクセントに加えても、絵柄が大胆で鮮やかなので、バランスよくコーディネートができます。少し派手かな?と思うくらいの色をナプキンや小物で合わせてみると、新鮮な発見があると思います。

おうち時間をより楽しく。お気に入りのお茶とスイーツを用意して、ラビリンスのプレートやカップと共に、花々に囲まれた明るく楽しいアフタヌーンティーの時間をお過ごしください。

「FEILER」を使用したコーディネート「フラワーズティータイム」はこちらから。

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