EPOCH TABLE Magazine

2020/8/13

#FOOD ラボ プロジェクト オールアバウトライフワークス×EPOCH TABLE

食器のシェアリングサービスの夏休み特別プロジェクト「#FOOD ラボ プロジェクト」初回の記事になります。

「#FOOD ラボ プロジェクト」とは、EPOCH TABLEのスタッフがこの自粛期間中、あらためて気づいた食や器で楽しむ日常について、“より深く食と器を知り、楽しむ研究をしよう!”を合言葉に、食の専門家の方々から様々なお話やアドバイスをいただき、そこからの発見・驚き・学びを得るための企画。
「好きを仕事に」を企業理念として、手芸やフラワー、食分野の講師育成を行なっているオールアバウトライフワークス様にご協力をいただき、毎回、様々な食の専門家さまへのインタビューをさせていただきます。

さて、それでは早速! 今回お会いさせていただいたのは・・・?

著書が書店の和菓子コーナーで大人気!
鳥居満智栄先生にお会いしてきました。

「どうぞ~」と優しい笑顔で迎え入れて下さった島居先生。
緑の中からこぼれる清々しい光の中、さあ!#FOOD ラボ プロジェクト開始です。

編集部「先生、プロジェクトにご協力いただきまして、ありがとうございます。本日は先生のご活動などいろいろお聞かせいただきながら、器と食の組み合わせや、楽しみ方のアドバイス、この夏はこんな事を楽しんでみては?・・・といった事についてもレクチャーいただければと思っております。宜しくお願い致します。」

鳥居先生「はい。本当に新しい取り組みですね。宜しくお願いします。」

編集部「先生!昨日大きな書店に行ってきたのですが、スイーツのコーナーに先生の和菓子の著書が何冊もありました。」

鳥居先生「ちょっとお待ちくださいね。」
先生は席を外し、これまでご出版された和菓子の著書をいくつも持ってきて下さいました。
先生の和菓子の著書はどれも可愛く、とても素敵です。

『笑顔こぼれるデコ和菓子』はロシアの愛らしい民芸品のマトリョーシカの練り切りなどが表紙に、「ひんやり夏和菓子」は瑞々しく爽やかな水菓子が表紙になっています。

編集部「和菓子は作るのが大変なイメージなのですが、私たちでも簡単に作って今回のような器に盛りつけて素敵に楽しむ…といった事が、本当に出来るものでしょうか?」

鳥居先生「はい!できるんです。どなたでも簡単にできるように考え、電子レンジで30分もあれば、作れる世界。道具も身近にあるものを活用して作ることをお教えしていますから。」

鳥居先生「和菓子作り=男性の職人のイメージが強いでしょうか?私は元々アイシングクッキーでイラストや世界観を表現してきたのですが、和菓子は四季折々を表現している素敵な世界ですから、もっと手軽に可愛く、自宅で日本の大切な伝統を楽しんでいただきたいと思って活動しています。」

編集部「先生は本のご出版の他、普段どのような活動をしていらっしゃるのですか?」

鳥居先生「アトリエで和菓子の教室もしていますし、企業のワークショップで若い方に日本の良い文化をお伝えしようと “可愛い” “簡単” “季節” “伝統” に触れていただいています。面白い取り組みは、大手コーヒーメーカーさん主催のイベントでコーヒーに合う和菓子のワークショップをさせていただいた事でしょうか。ドリンクと共に・・・いろいろなアプローチをする事で若い方にもこの世界を知っていただけるのは嬉しいです。」

編集部「和菓子とコーヒーですか!!勉強になります。実は#FOOD ラボ プロジェクトは、私たちが日常をより楽しむ為の研究を目的としているのです。EPOCH TABLEのコーディネートは洋食器が多いので、鳥居先生ならどのように楽しまれるのかお伺いしなければ・・・と思いつつ、ティーカップやコーヒーカップの楽しみ方を和菓子の先生にお伺いするのは趣旨が違うかな~などと、道すがら考えつつ本日伺った次第でして。」

(写真:鳥居先生の著書やご提供いただいた作品のお写真など)

通われている生徒さんとのエピソードはどれも素敵で、「教室に通うようになってからお花をモチーフとした和菓子を作る事も多く、その事がきっかけで草花をじっくり見るようになった」という方、「せっかく和菓子教室に通っているから」と茶道を習い始める方など、日常が豊かになったと喜びの声が先生の元へ届くそう。

この後は、驚きの器と和菓子の楽しみ方を提案して下さいます。

_コース料理のように季節のしつらえを楽しむ_

編集部「ではこれから実際にEPOCH TABLEのコーディネート「藍」のお皿を使用した器の楽しみ方をお教えいただいても宜しいでしょうか?」

鳥居先生「はい。ちょっと準備していきましょう。」と先生は白の涼し気なレースのクロスをテーブルに、そしてお庭から楓を切ってテーブルに並べられました。

鳥居先生「抹茶に氷を入れていきますね。夏のしつらえを楽しんでいただきたいですから。」

編集部「先生。とても夏らしく、美しくなりました! ポイントをお教えいただきたいです。」

鳥居先生「五感で楽しんでいただくイメージで、プレートを和菓子のコース料理のようにしています。器と共に和菓子を目で感じ、鼻で香りを楽しみ、味わい・・・と五感で涼やかに夏を感じていただけるのではないでしょうか?」

編集部「驚きです。実はEPOCH TABLEのコーディネートはディナープレートなど大きなお皿が中心となっているので、先生に難しいアドバイスをお願いする事になるのでは…?と心配しておりました。」

鳥居先生「和菓子は35mm程度の小さく愛らしい世界ですからね。でもコース料理のようなイメージでこのようにするのも楽しいと思いませんか?」

編集部「目からウロコです。先生のアイディアは大変良い勉強になります。」

テーブルクロスがかけられ、お庭からの楓が添えられ、抹茶が用意され器に氷を落とす、お菓子が丁寧に器に盛りつけられていく所作はとても美しく、その姿に心を癒されながら気付かなかった事に気付かされる…。
なんとも清々しい気持ちで美しく、洗練された和菓子にシャッターを切りました。

_質感を考えて組み合わせを考える 器と和菓子 の美味しい関係_

編集部「“コース料理のように和菓子と器を楽しむ”、#FOODラボプロジェクトにピッタリな素晴らしい学びを得られた事に感動しています。今回は夏をテーマに、コーディネート「藍」の器について先生にアイディアをお願いさせていただいたのですが、他の器を楽しむ時のアドバイスもいただいて宜しいでしょうか?」

鳥居先生「まずは先ほどの大きなお皿をコース料理のようにする場合のポイントですが、食感が違うものを組み合わせてストーリーを作っていくイメージで考える事が大切です。和菓子の色は自由に調整できますから、食器と合わせて色合わせも大切にしたいですね。」

編集部「EPOCH TABLEの器は磁器が多いのですが、中にはぽってりした淡いグリーンカラーの器もあるのです。ぽってりした器ですと、どんな和菓子がお勧めでしょうか?」

鳥居先生「食器と合わせて質感で作る和菓子、合わせる和菓子を考えると良いですよ。例えばぽってりした器なら、浮島(うきしま)とか。お饅頭(おまんじゅう)のような素材感がある和菓子も良いと思います。」

編集部「質感合わせと先生からお教えいただいた季節のしつらえも大切にしながら、和菓子と器を楽しんでいきたいと思いました。最後に、器やテーブルコーディネートを楽しむEPOCH TABLEマガジン読者に向けて、先生からメッセージをお願い致します。」

鳥居先生「和菓子の基本は五感で感じる事とされています。日本人の季節を感じ、香りを楽しみ、口で食べて食感や味覚を楽しみ、サービスする人・器・ちょっとしたお花など、目に映るものも含めた“しつらえ全体”で食を楽しむ事をお伝えしたいと考えています。また、夏休みでお子様が和菓子作りに挑戦される機会もあるかも知れません。和菓子は手の感覚を感じながら、色の濃淡、空間認識と人間のありとあらゆる感覚を総動員して作っていきます。脳への刺激にも大変良いです。親子で作ったり、シルバー世代にも、充分楽しんでいただけると思います。電子レンジで出来る可愛い世界ですので、どうぞ多くの方に楽しんでいただきたいです。」

編集部「本日は貴重なお話をたくさんいただき、誠にありがとうございました。」

〈創作和菓子研究家:鳥居満智栄先生〉
EPOCH TABLE公認アンバサダー

30年近く前よりクッキーの世界(クッキーで描く立体イラスト)デコクッキーをスタートし、2005年頃より和菓子の創作活動を開始。
洋菓子を楽しむように、和菓子もお家で楽しんで頂きたいと「アンネルネ マチエル」を主宰し、自宅で創作和菓子教室を開催。
老舗和菓子屋とのコラボ創作和菓子、広告等の撮影用和菓子制作など幅広く活動中。
2009年~2013年、ジェイコム東京「すてきにダイニング」季節を感じる和菓子TV出演。
著書に『恋する和菓子』(じゃこめてい出版)、『電子レンジで手軽に簡単!おうちで作る和菓子レシピ12か月』『季節を遊ぶ ねりきり和菓子』(淡交社)など多数。

 

_#FOOD ラボ プロジェクト 今回のワンポイントワードレッスン_

①しつらえ
「しつらえ(設え、室礼)」、用意(する)、準備(する)、空間や部屋の演出などを意味する言葉です。
茶道は『もてなし』と『しつらえ』の文化といわれます。おもてなしをする心づかい、移りゆく四季を大切に、相手の立場にたち、しつらえます。

②練り切り(ねりきり)
白あんに砂糖、山の芋や求肥などのつなぎの食材を加え、調整し練った練り切りあん(白あん)を主原料とする生菓子で定番の和菓子の1つ。
四季折々の季節風景や、様々なモチーフを楽しめる上品な和菓子。

③浮島(うきしま)
餡(白餡)、薄力粉、卵等が入った生地を蒸した棹物菓子。
ふっくらと膨らんだ形状が浮島を思わせるところからの命名。素材や生地の色を変えれば四季折々の浮島が表現できる、定番の和菓子の1つ。

 

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